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最高裁判例詳細

事件番号 昭和23(れ)190
事件名 公文書偽造行使、詐欺
裁判年月日 昭和23年5月29日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第2巻5号521頁
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審裁判年月日 昭和23年1月23日
判示事項 一 昭和二二年法律第一二四號刑法の一部を改正する法律附則第四項と刑法第五五條
二 昭和二二年法律第一二四號附則第四項の規定を舉示しない判決と上告の適否
三 刑法第五四條第五五條の適用順序
四 刑法第五四條の「最モ重キ刑ヲ以テ處斷ス」の意義
裁判要旨 一 昭和二二年法律第一二四號(刑法の一部を改正する法律)は刑法第五五條を削除したが同法律附則第四項により同法施行前の行爲については刑法第五五條の改正規定にかかわらずなお從前の例によることを定めておるのである。ところで被告人の本件犯罪行爲は右改正施行の日たる昭和二二年一一月一五日前に行われたものであつて公文書僞造の各所爲、同行使の各所爲及び詐欺の各所爲は夫々犯意繼續して行つたものであることは原判決の確定しておるところであるから前記附則第四項の規定により刑法第五五條を適用すべきものであることは言を俟たないのである。
二 原判決は法條の適用において刑法第五五條を示すに止まり前記昭和二二年法律第一二四號附則第四項を示さなかつたことは所論の通りであるが、刑法第五五條を適用したことは即ち附則第四項をも適用した趣旨であることは自ら明らかであつて直接の適用法條たる刑法第五五條を適用してある以上その根據となる右附則第四項の規定を判決に舉示しなかつたからといつて必ずしも右規定の適用を遺脱した違法があるということはできない。
三 原判旨によれば被告人は文書を僞造行使して詐欺を爲すこと數回に及んだもので各文書僞造行使詐欺の間には手段結果の牽連關係があると同時に數個の僞造文書行使の行爲と數個の詐欺の行爲は各連續關係にあるものであるから、かかる場合には刑法第五四條第五五條に依りこれを總括してその最も重い罪の刑によつて處斷するのが正當であつて右兩法條の適用の順序如何は法律の要求しておるところではない。
四 刑法第五四條の「最モ重キ刑ヲ以テ處斷ス」としたのは數個の行爲が包括的に最も重き刑を以て處斷されるという意味であつて輕い罪が重い罪に吸収されて獨立性を失うという意味でないことは所論の通りである。
参照法条 昭和22年法律124號附則4項,刑法55條,刑法54條