最高裁判例詳細
| 事件番号 | 昭和23(れ)364 |
|---|---|
| 事件名 | 強盗未遂 |
| 裁判年月日 | 昭和23年7月1日 |
| 法廷名 | 最高裁判所第一小法廷 |
| 裁判種別 | 判決 |
| 結果 | 棄却 |
| 判例集等巻・号・頁 | 集刑 第3号1頁 |
| 原審裁判所名 | 東京高等裁判所 |
| 原審裁判年月日 | 昭和22年12月24日 |
| 判示事項 | 一 強盜の動機として判示した詐欺の事實と起訴事實の同一性 二 強盜の手段たる脅迫行爲と脅迫罪の成否 |
| 裁判要旨 | 一 原判決舉示の證據によれば、判示強盜未遂の事實を肯認することができる。論旨は、「Aの妻Bに對してつくりごとを云つて金錢を得ようとした」判示事實を捉えて、この行爲は詐欺で刑法第二四六條に該當するから、強盜罪の外に詐欺罪の規定を適用すべき旨を主張するのであるが、本件においては詐欺罪乃至詐欺事實は起訴されてない。そして、詐欺罪と強盜罪とは起訴事實の同一性を缺くものであるから、本件強盜罪についての公訴提起の効力は詐欺罪には及ばない。從つて、論旨の「つくりごとを云つて金錢を得ようとした」判示事實の記載は單に本件強盜罪の犯行經過の一事情として添加されているに過ぎないものと解すべきである。それ故、原判決が詐欺未遂の適條を掲げていないのは、正當である。 二 論旨は「一見拳銃の様に見える前記ライターを突き付け金を貸せと脅迫し」た判示事實を捉えてこの行爲は脅迫で刑法第二二二條に該當するから強盜罪の外に脅迫罪の規定を適用すべき旨を主張するのであるが右脅迫は判示暴行と共に本件強盜罪の一手段として説示されたに過ぎないことは判文上明らかである。すなわち脅迫は強盜罪の中に吸收せられておるものと見るべきであつて強盜罪の外に脅迫罪が獨立して成立するものと解することは出來ない。從つて本件においては何れの點から見るも論旨の言うごとく刑法第五四條を適用すべき餘地は存在しないのである。 |
| 参照法条 | 刑法236條,刑法246條,刑法222條,刑法54條,刑訴法360條1項 |