最高裁判例詳細
| 事件番号 | 昭和23(れ)566 |
|---|---|
| 事件名 | 窃盗、有毒飲食物等取締令違反、過失致死 |
| 裁判年月日 | 昭和23年8月11日 |
| 法廷名 | 最高裁判所第一小法廷 |
| 裁判種別 | 判決 |
| 結果 | 棄却 |
| 判例集等巻・号・頁 | 刑集 第2巻9号1155頁 |
| 原審裁判所名 | 東京高等裁判所 |
| 原審裁判年月日 | 昭和23年1月22日 |
| 判示事項 | 一 性質の判然としないアルコールを飮料用として販賣する者の注意義務 二 刑の執行を猶豫しない判決と實驗則 |
| 裁判要旨 | 一 近時アルコール中に一ミリグラムを超えるメタノールを含有するいわゆるメチルアルコールを飮用して生命身體に危害を受けた事例は頻々として新聞紙上其の他にも報道せられかかる飮料が危險物であることは一般通常人に知れ渡つているものと解すべきである。それ故該飮料の製造元も明らかでなく又その性質も判然としていない。アルコールを飮料用として他に販賣せんとする者は適當な檢査所で有毒物の有無の檢査を受ける等確實な方法によつて、その成分を檢査し、飮用に供して差支ないか、否かを一應確かめた上飮用者の生命身體に不測の危害を起さしめないように注意すべきことは、まさに通常人の義務であると言わなければならない。ましてや、本件においては、占領軍田奈分遺隊の人夫をしていた被告人が同分遺隊東谷倉庫内保管の物品を窃取し飮料用として販賣したものであつて、被告人が前記注意義務を怠つたものであることは、明らかである。 二 執行猶豫を與へるか否かは、事實審が諸般の事情から總合的に自由裁量によつて決定するところに一任されているそして當裁判所においても、原審の執行猶豫を附けなかつた量刑を別段實驗法則に反すると認むべき理由を發見することはできない。 |
| 参照法条 | 有毒飮食物等取締令1條1項,刑法25條,刑訴法409條,刑訴應急措置法13條2項 |