最高裁判例詳細
| 事件番号 | 昭和23(れ)264 |
|---|---|
| 事件名 | 強盗未遂 |
| 裁判年月日 | 昭和23年8月11日 |
| 法廷名 | 最高裁判所大法廷 |
| 裁判種別 | 判決 |
| 結果 | 棄却 |
| 判例集等巻・号・頁 | 集刑 第3号595頁 |
| 原審裁判所名 | 大阪高等裁判所 |
| 原審裁判年月日 | 昭和23年1月31日 |
| 判示事項 | 一 被告人が強制自白であると主張する司法警察官の聽取書を證據に採つた場合の合法性と合憲性 二 罪證に供した證據につき被告人から無効主張があつた場合の判斷明示の要否 |
| 裁判要旨 | 一 記録によれば成程、被告人等は司法警察官の取調に對しては、いづれも本件犯行を自白していたが、公判の取調においては、「警察における取調に際しては刑事から毆られたので己むなく處僞の自白をしたもので被告人は本件強盜に關係していなかつたものである。」旨供述するに至つたことは所論の通りであるが、裁判所は第一審公判廷で被告人等の取調に當つた司法警察官A、及び取調に立會つた巡査Bを證人として訊問した結果、證人Aは「被告人等の取調に際し部下が被告人等を毆つたようなことは絶對にない」旨、又證人Bは「被告人等の取調に際し少々大きな聲で怒鳴つたことはあつたかも知れないが毆つたりしたことは絶對にない」旨供述したことが明らかである、そこで原審は被告人等の警察における自白を任意に出でたものと認めてその聽取書の供述記載を證據として採用したものと認められる。ところで證據の取捨選擇は事實審裁判所の專權に屬することが被告人等の公判廷における供述と警察における供述とが矛盾する場合にいづれを信用するかはその自由な心證によつて、之を定めることができるのであるから、原審が被告人等の公判廷における供述を採用しなかつたからと言つて之を非難するわけにはゆかないし又右の公判廷における證人Bの證言を以てしても、未だ所論のように被告人の警察における供述が、日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に關する法律第一〇條第二項(日本國憲法第三八條第二項)に言う強制又は脅迫によるものとは認められない。その他記録を精査しても所論のような事實を窺うに足る證跡がないから被告人等に對する司法警察官の聽取書中の供述記録を證據に採用した原判決には何等所論のような違法はない。 二 被告人からある證據が無効であるとの主張があつても、裁判所が之を有効な證據と認めて罪證に供するに當つて特に判文上右主張に對する判斷を示す必要はない。從つて本件で原判決が被告人等に對する司法警察官の聽取書中の供述記載を罪證に供するに當つて所論の主張に對する判斷を示さなかつたからと言つて何等所論のような理由不備又は判斷遺脱の違法があるとは言えない。 |
| 参照法条 | 憲法38條2項,刑訴應急措置法10條2項,刑訴法360條1項,刑訴法410條19號 |