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最高裁判例詳細

事件番号 昭和23(れ)348
事件名 強盗
裁判年月日 昭和23年9月22日
法廷名 最高裁判所大法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第2巻10号1218頁
原審裁判所名 大阪高等裁判所
原審裁判年月日 昭和23年2月16日
判示事項 一 押收搜索手續の違法と上告理由
二 押收搜索手續の違法と救濟方法
三 量定不當の主張と實驗則違反
四 第一審手續の違法を理由とする第二審判決に對する上告の適否
五 第一審における證人申請の撤回と第二審における前申請の効果
六 刑訴應急措置法第一二條第一項但書の法意
七 憲法第三六條にいわゆる「殘虐な刑罰」の意義と被告人に過酷と思われる刑の言渡
裁判要旨 一 原判決は所論の押收物件を犯罪事實認定の證據としないことは判文上明白である。從つて假りに本件の搜索及び押收の手續に所論のような違法(憲法第三五條第一項違反)があつたとしても、それは原判決に影響を及ぼさざること明白であるから上告の理由とはならないものと言はなくてはならない。
二 辯護人においてその點の違法(搜索及び押收の手續に關する違法)を主張せんとするには刑事訴訟法第四五七條によつて抗告の途を選ぶべきであつた。しかるにその手續をとらないで上告をもつてこの點につき原判決を非難することは筋違である。
三 刑の量定は事實審たる裁判所の自由裁量に關する問題であるが裁判所は諸般の情状を考慮して各事案につき適切妥當にこれを定めることを要することは所論のとおりであるが本件については假りに辯護人所論の事實を(生活の困窮、朝鮮人の慣習等)を參酌しても原審の科刑を目して經驗上の法則に反した違法のものとは認め得ない。
四 刑事訴訟においては第二審は第一審の續審ではなく覆審であつて第一審とは別個の手續であるから第一審の訴訟手續に對する非難は第二審判決に對する上告適法の理由とならない。
五 第一審において一旦申請した證人でも、その後その申請を撤回してしまつた證人は、第二審においてあらためて申請しなければ、第二審においてその訊問申請をしなければ、第二審においてその訊問申請をしたことにはならない。
六 刑訴應急措置法第一二條第一項但書は、被告人の側より同條所定の書類の作成者又は供述者について訊問の請求があつたけれども、訊問の機會を與えることができないか又はそれが著しく困難な場合の規定であつて本件のように被告人の側からその請求のなかつたこと前記の如くである場合には、適用のない規定であるのみならず、その規定の趣旨とするところは、所定の書類を證據とするについては、これについての制限及び被告人の憲法上の權利を適當に考慮しなければならないというだけであつて、所論のように、被告人が公判期日において直接に訊問する機會を持たなかつた書類の供述者の供述記載の中、被告人に不利益な部分を證據に採用してはならないというのではないのである。
七 憲法第三六條にいわゆる「殘虐な刑罰」とは、人道上殘酷と認められる刑罰という意味であつて、事實審の裁判官が、普通の刑を法律において許された範圍内で量定した場合においては、それが被告人の側から觀て「過酷」と思はれるものであつても、憲法にいわゆる「殘虐な刑」にあたらないことは、既に當裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三二三號、昭和二三年六月二三日言渡)の示す通りである。
参照法条 憲法35條1項,憲法36條,刑訴法411條,刑訴法457條,刑訴法409條,刑訴法412條,刑訴法401條,刑訴法407條,刑訴法408條,刑訴法324條3項,刑訴應急措置法13條2項,刑訴應急措置法12條1項但書