最高裁判例詳細
| 事件番号 | 昭和23(れ)786 |
|---|---|
| 事件名 | 有毒飲食物等取締令違反 |
| 裁判年月日 | 昭和23年12月7日 |
| 法廷名 | 最高裁判所第三小法廷 |
| 裁判種別 | 判決 |
| 結果 | 棄却 |
| 判例集等巻・号・頁 | 刑集 第2巻13号1702頁 |
| 原審裁判所名 | 名古屋高等裁判所 |
| 原審裁判年月日 | 昭和22年12月3日 |
| 判示事項 | 一 犯罪事實の一部につき被告人の自白以外の證據がない場合と憲法第三八條第三項及び刑訴應急措置法第一〇條第三項 二 アルコールを飮用として他人に販賣する者の注意義務 三 憲法違反に名を藉り原審の事實認定を非難する上告論旨と裁判所法第一〇條 |
| 裁判要旨 | 一 憲法第三八條第三項並に日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に關する法律第一〇條第三項は犯罪事實の全般にわたつて被告人に不利益な證據は被告人の自白以外には存在しない場合の規定であつて犯罪事實の一部については被告人の自白以外の證據がなくとも他の部分については被告人の自白以外の證據がある場合には右法條にふれないということは當裁判所が屡々判例とするところである。 二 アルコールを他人に飮用として販賣する者はすでにメチールが含有しているかも知れぬという疑いをもつたならば確實な方法によつて其成分を檢査し飮用に供しても差支へないものであることを確かめ飮用者に不測の障害を與えない樣細心の注意をしなければならないことは云うをまたないことであつて所論喜作から專門家が鑑定して販賣しても差支ない物だと告げられたとしても自ら試飮した時味が惡いし又ドラム罐に入つているので變だと思い一般に云はれているメチールが入つているのではなかろうかと疑いを起しながら何等確實な檢査をしないで其まま販賣したのであるから注意を怠つた者でないとは云い得ない。 三 被告人は、これに對し犯意も過失もなかつたと主張し、犯意も過失もない者を罰するのは、憲法違反であるという論旨の如きは憲法違反であるとの字句はあるが其實質は原審の事實認定を批難する以外の何ものでもなく裁判所法第一〇條に該當しない。 |
| 参照法条 | 憲法38條3項,刑訴應急措置法10條3項,有毒飮食物等取締令1條1項,裁判所法10條1號 |