最高裁判例詳細
| 事件番号 | 昭和23(つ)4 |
|---|---|
| 事件名 | 臨時物資需給調整法ならびに物価統制令違反被告事件についての控訴申立につきなした決定に対する抗告 |
| 裁判年月日 | 昭和23年11月15日 |
| 法廷名 | 最高裁判所大法廷 |
| 裁判種別 | 決定 |
| 結果 | 棄却 |
| 判例集等巻・号・頁 | 刑集 第2巻12号1528頁 |
| 原審裁判所名 | 名古屋高等裁判所 |
| 原審裁判年月日 | 昭和23年2月25日 |
| 判示事項 | 一 上訴權消滅後の控訴申立を棄却した決定に對する抗告棄却の決定と憲法第三二條 二 被告人の上訴權抛棄後殘存上訴期間内に原審における辯護人が獨立して上訴することの可否 |
| 裁判要旨 | 一 以上各事實の經過から推すと本件上訴權の抛棄には所論のような錯誤があつたものとは到底判斷することはできない、然らば被告人が一旦上訴權を抛棄すれば之に因つて上訴權は消滅し、爾後更に上訴をすることができないことは刑訴法第三八六條の規定する所である。されば本件上訴權の抛棄が錯誤に基ずくものなることを主張して之が抛棄の取消を理由とする所論は理由のないものである、從つて原決定が上訴權消滅後の控訴申立として抗告人の抗告申立を棄却したのは當然であつて、毫も憲法第三二條に違反するものでない。 二 刑訴第三七九條に所謂原審における辯護人は同第三七八條の被告人の法定代理人保佐人等と異なり、被告人の明示した意思に反して上訴することはできないのである。從つて本件において被告人が上訴權を抛棄した以上、假令法定の上訴期間が殘存し從つてこの殘存期間と雖も最早や辯護人が上訴をする譯にはゆかないことは當然の理と云わねばならぬ尤も所論憲法第三四條第三七條第三項は被抑留者若しくは被拘禁者又は被告人に直ちに辯護人を附する權利を保障し、從つて辯護人は之等の者の人權保護の萬全を期する爲め法令上種々の權義を有する所であるがさればと云つてそのことから當然に刑訴法上辯護人に被告人の法定代理人又は保佐人と同樣に被告人の明示した意思に反してまでも無制限に上訴權を認めなければならぬとの論結には到達し得ないのである。 |
| 参照法条 | 刑訴法386條,刑訴法397條,刑訴法379條,憲法32條 |