最高裁判例詳細
| 事件番号 | 昭和23(れ)978 |
|---|---|
| 事件名 | 強盗予備、銃砲等所持禁止令違反 |
| 裁判年月日 | 昭和23年11月18日 |
| 法廷名 | 最高裁判所第一小法廷 |
| 裁判種別 | 判決 |
| 結果 | 破棄差戻 |
| 判例集等巻・号・頁 | 刑集 第2巻12号1621頁 |
| 原審裁判所名 | 東京高等裁判所 |
| 原審裁判年月日 | 昭和23年5月24日 |
| 判示事項 | 一 執行猶豫の言渡と前科調書による調書の要否 二 被告人に前科なきことの推斷の當否 三 前科調書による調査を怪まないで前科なきことを判斷したことと審理不盡 四 前科を自白した被告人に對しその眞否につき調査せず漫然刑の執行猶豫の言渡をした判決と審理不査の違法 |
| 裁判要旨 | 一 事實審が法の執行猶豫の言渡をするには、まずその前提として法定要件の一つである被告人が「前ニ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルコトナキ者」であることを判斷しなければならぬことはいうまでもない。しかしこの事實の判斷は、自由心證主義の下に經驗則に從い合理的に爲されれば足るのであるから、必ずしも常に前科調書にょつてこれが調査をしなければならぬというものではない。 二 當該事案の經緯、被告人の經歴、その他諸般の事情に照らして、被告人にかかる前科あることの疑惑の生じない場合にあつては、一應前科なきものと推斷するを妨げないのである。 三 唯前科調書による調査を經ないで前科なきことを判斷したという事だけを捉えて審理不儘又は經驗則その他の法令に違反ありと速斷することはできない。 四 かように被告人が氏名を詐稱する場合には往々前科の暴露をおそれる配慮に出ることがあり又被告人Aは前科を自白している位であるから、被告人等については、刑法第二五條第一號所定の前科に關し多大の疑惑なきを得ない事情の下にあつたと見なければならぬ。しかるに原審は、前科について他に右疑問を一掃するに足る事由が見られないにも拘わらず何等その調査を遂げた形跡もなくただ漫然として被告人等に對して執行猶豫の言渡をしている、それ故前科の有無についての判斷に關しては、十分審理を盡さなかつた違法が存するということができる。 |
| 参照法条 | 刑法25條 |