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最高裁判例詳細

事件番号 昭和23(れ)751
事件名 詐欺、窃盗
裁判年月日 昭和23年11月30日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 集刑 第5号533頁
原審裁判所名 大阪高等裁判所
原審裁判年月日 昭和23年4月12日
判示事項 一 精神異状の疑の有無と精神状態についての鑑定若くは證人訊問の要否
二 精神鑑定の申請があるだけで心神喪失又は心神耗弱の主張のない場合の判斷の要否
三 公判請求書と同時に提出された被害物件還付の請書の證據調の要否
裁判要旨 一 固より精神異状の疑い顕著であるにも拘わらず、そのことの審理をしないことは、健全な法律常識に違背するものとして許されないところであるけれども記録を調べてみると本件被告人についてはその精神状態を審理するために精神鑑定をしたり證人を訊問したりする必要のある程度のものとは認められないから、この點に關して原審に審理不盡の違法ありとは云えない。
二 論旨は、辯護人に於て被告人の心神喪失又は心神耗弱を主張したにも拘わらず原判決がその點について判斷を示さなかつたことを以て、判斷遺脱の違法を犯したものであると主張している。しかし原審公判調書を調べてみると辯護人から被告人の精神鑑定を申請したことは記載してあるが、被告人の本件行爲が心神喪失又は心神耗弱の状態に於て爲されたものであるとの主張をした記載は見出されない。かような主張が無い限り原判決がそのことについて判斷を示さなかつたのはむしろ當然であつて、これを判斷遺脱の違法あるものと云うことはできない。
三 論旨に從えば、本件の被害者が還付を受けた被害物件に對する請書は、公判請求書と同時に裁判所に提出せられたにも拘わらず原審裁判所が是等の書類について證據調をしなかつたのは違法であるという。しかし右の書類は、裁判所の證據調を求める主旨を以て檢察官から提出せられたものとは認められないし、且つこの問題は第一審の裁判所に關することであるから、第二審たる原審が之等の書類について證據調をしなかつたとしてもこれを以て所論のように刑事訴訟法第四一〇條第一項第一三號に違背したものということはできない。
参照法条 刑法39條,刑訴法336條,刑訴法360條2項,刑訴法342條