ホーム

最高裁判例詳細

事件番号 昭和23(れ)1619
事件名 傷害致死
裁判年月日 昭和24年3月29日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第3巻3号381頁
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審裁判年月日 昭和23年6月16日
判示事項 一 被告人に對する豫審訊問調書の作成者を訊問し得ることを被告人に告知することの要否
二 犯罪事實の一部について被告人の自白を唯一の證據として認定することの可否
三 誘導訊問に當らぬ一場合
四 証拠調の履践方法に関する公判調書の記載
裁判要旨 一 刑訴應急措置法第一二條の規定は、被告人の供述を録取した書類については、その適用のないこと明文の示す通りであるから、右の豫審訊問調書の作成者を訊問し得ることを被告人に告知すべきであつたという所論は理由がない。
二 裁判所が被告人の自白とその他の證據とを綜合して犯罪事實を認定するにあたつては、その犯罪事實の全部にわたつて自白以外の傍證を必要とするのではなく、一部分については自白が唯一の證據であつても違法でないこと、當裁判所の屡次の判例(昭和二二年(れ)第一三六號同年十二月一六日言渡第三小法廷判決。昭和二二年(れ)第一五三號同二三年六月九日言渡大法廷判決等参照)の示す通りである。
三 裁判長が「腦實質内出血乃至腦室内出血があつたことは、死因たり得たろうとは言えるか」と問うたのに對して、右の證人は「斷定することは難しいですが、言えると思います」と答えている。かような問いは所論のようにいわゆる誘導訊問とは認められない。從つて右の證言を證據として採用することには何等の違法も存しない。
四 公判調書に「各尋問調書その他の証拠書類の各要旨を順次告げた」旨の記載があるときは、各尋問調書を一括してその要旨を告げたのではなくて、各尋問調書等について個別的に適法な証拠調がなされたものと認むべきである。
参照法条 刑訴應急措置法12條1項,刑訴應急措置法10條3項,憲法38條3項,憲法38條,旧刑訴法340条,旧刑訴法347条