最高裁判例詳細
| 事件番号 | 昭和24(れ)2465 |
|---|---|
| 事件名 | 強要 |
| 裁判年月日 | 昭和25年2月7日 |
| 法廷名 | 最高裁判所第三小法廷 |
| 裁判種別 | 判決 |
| 結果 | 棄却 |
| 判例集等巻・号・頁 | 集刑 第16号331頁 |
| 原審裁判所名 | 高松高等裁判所 |
| 原審裁判年月日 | 昭和24年8月12日 |
| 判示事項 | 一 刑法第二二三條第一項のいわゆる強要罪に該る一事例 二 憲法第二八條の法意 三 刑法第二二三條にいわゆる「義務なきことを行はしめ」に該る一場合 |
| 裁判要旨 | 一 人に脅迫を加えその脅迫状態を利用して義務なき事を行わしめれば、刑法第二二三條第一項のいわゆる強要罪が成立する。被告人等は、Aが被告人等の要求に應じないときは同人に對してどんな危害を加えるかも知れないような氣勢を示してその要求の承認を迫り、遂にAをして、自分の義務でもないのに、その要求に應ずる旨の覺書を交付せしめたものである。さすれば原判決が被告人等の所爲を刑法第二二三條第一項の罪にあたるものとしたのは正當である。 二 論理に從えば、被告人等の所爲は憲法第二八條に保障せられた勤勞者の團体交渉並に團体行動の權利の正當は行使であるというのである。しかし、憲法第二八條は、企業者對勤勞者すなわち使用者對被使用者というような關係に立つ者の間において、經濟上の弱者である勤勞者のために團結權乃至團体行動權を保障したものに外ならないのであるから、その保障を擴張して、本件のように縣C組合又はその組合長と普通の村民たる被告人等との關係にまで及ぼそうとする論旨の理由なきことは、當裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三一九號同二四年五月一八日大法廷判決)に照らして明かである。 三 被告人等がAをして交付せしめた文書が法律的に無効なものであり財産的に無價値なものであるとしても、社會的にはなお無意味なものではない。Aは本來かゝる文書を交付する義務を有してはいなかつたのに、被告人等は脅迫によつてこれを交付せしめたのであるから、原判決が、これを義務なきことを行わしめたものとしたのは當然であつて、原判決には所論のような理由齟齬の違法はない。 |
| 参照法条 | 刑法223條1項,憲法28條 |