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最高裁判例詳細

事件番号 昭和24(れ)2864
事件名 有毒飲食物等取締令違反
裁判年月日 昭和25年3月30日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄差戻
判例集等巻・号・頁 刑集 第4巻3号449頁
原審裁判所名 福岡高等裁判所
原審裁判年月日 昭和24年8月16日
判示事項 一 有毒飲食物等取締令第四條第一項の罪に對し刑法第六六條を適用した擬律錯誤の違法
二 酒類等を販賣する飲食店業者の注意義務と公知の事實
三 連續犯を組成しない複數の犯罪行爲の判示方法――併合罪の個數、内容を特定しない判決の理由不備の違法
裁判要旨 一 原判決が有毒飲食物等取締令犯の事實認定をし、これに對し刑法第六六條を適用したこと並びに有毒飲食物等取締令第四條第三項に同條第一項の罪を犯した者には刑法第六六條を適用しない旨規定していることは所論のとおりである。されば原判決が本件につき刑法第六六條を適用したことは法令適用の明白な錯誤であつて、判決に影響を及ぼすおそれがあるから論旨はその理由があり、原判決は破棄を免れないものといわなければならない。
二 酒類等を販賣する飲食店業者は、客に販賣する酒類についてはこれを確實な業者から仕入れ若し多少でもメタノール等を含有する疑あるときは確實な試驗を經た上その含有しないことを確認して販賣すべき注意義務を有することは、一般公知の事實に屬するものである。
三 連續判を組成しない複數の犯罪行爲を判示するには、その行爲が同一罪質であり、手段方法等において共通していても、その各個の行爲の内容を一々具体的に判示し、更に、日時場所等を明らかにすることによつて一の行爲を他の行爲より區別し得る程度に特定し、もつて少くとも各個の行爲に對し法令を適用するに妨げない限度に判示することを要することは當裁判所大法廷の判例とするところである(昭和二三年(れ)第七六三號同二四年二月九日大法廷判決、判例集第三卷第二號第一四一頁以下參照)。しかるに原判決は「昭和二二年三月一八日頃から同二〇日頃迄の間被告人が判示店舗で顧客であるA外二十數名に對し判示飲食物合計四升八合位を多數回に亘り販賣したものである」と判示したに過ぎないのに、併合罪として處斷している。されば原判決は併合罪の個數、内容を特定しない理由不備の違法がある。
参照法条 有毒飲食物等取締令4條1項,有毒飲食物等取締令4條3項,有毒飲食物等取締令1條,刑法66條,刑法45條,舊刑訴法411條,舊刑訴法336條,舊刑訴法360條1項,舊刑訴法410條19號