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最高裁判例詳細

事件番号 昭和25(れ)272
事件名 賍物運搬
裁判年月日 昭和25年5月16日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄差戻
判例集等巻・号・頁 刑集 第4巻5号818頁
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審裁判年月日 昭和24年12月14日
判示事項 一 公訴事實の同一性の認められる一場合
二 賍物罪における罪となるべき事實摘示の程度
裁判要旨 一 本件公訴状に記載された事實は「被告人は昭和二三年四月二二日東京都中央區所在A病院別館において連合國占領軍所有のチウイングガム一千個を窃取した」というのであり、原判決の認定した事實は「被告人は昭和二三年四月二二日東京都港區a所在米軍補給部隊から東京都中央區bc丁目A陸軍病院別館へ米軍用砂糖菓子類を貨物自動車で運搬する際、人夫B某からチウイングガム一千個入一箱の運搬を委託されその盜賍品なる情を知りながらこれを貨物自動車で前記部隊から右病院別館まで運搬した」というのである。この兩者に共通する事實としては、昭和二三年四月二二日東京都中央區A病院別館を關係場所として連合國占領軍所有のチウイングガム一千個が不法に領得されたことに被告人が關與したその行爲が中心問題とされているのであつて、公訴状では被告人の行爲を窃盜と認めたのに對し原判決においてはこれを賍物運搬と判斷した結果事實關係に多少の差異を生じたのであるが基本的事實には變動がないのであるから、公訴状記載の公訴事實と原判決認定の犯罪事實とは同一性を失わないものと云うことができるのである。
二 判決において賍物に關する罪となるべき事實を説明するについては、必ずしも被告人の行爲の目的物がなにびとの、いかなる犯罪によつて不法に領得された賍物であるかの具体的事實を明示することを必要とするものではないが、少くとも判示事實の記載と引用の證據と相まつてその目的物が賍物であることを知り得る程度に明らかにしなければならないことは云うまでもないところである。
参照法条 刑法235條,刑法256條2項,刑法256條,舊刑訴法291條舊刑訴法410條18號,舊刑訴法360條1項