最高裁判例詳細
| 事件番号 | 昭和25(れ)494 |
|---|---|
| 事件名 | 市会議員選挙罰則違反 |
| 裁判年月日 | 昭和25年8月9日 |
| 法廷名 | 最高裁判所第二小法廷 |
| 裁判種別 | 判決 |
| 結果 | 棄却 |
| 判例集等巻・号・頁 | 刑集 第4巻8号1550頁 |
| 原審裁判所名 | 名古屋高等裁判所 |
| 原審裁判年月日 | 昭和24年12月27日 |
| 判示事項 | 一 地方自治法第七三條(選舉犯罪者に對し選舉權被選舉權を停止する旨の規定)の合憲性(第一五條) 二 第一審では懲役刑に處し、選舉權、被選舉權を失權せしめなかつたが、第二審では同一の懲役刑に處し、新たに三年間の執行獪猶豫に付し、且つ、選舉權被選舉權、を失權せしめたことと不利益變更の禁止 |
| 裁判要旨 | 一 論旨は地方自治法第七三條が衆議院議員選舉法第一三七條の規定を準用し選舉犯罪者に對し選舉權及び被選舉權を停止する旨の規定は憲法第一五條に違反するものであると主張するものであるが衆議院議員選舉法第一三七條を準用して地方公共團体の議員の選舉權被選舉權について特定の欠格事由を定めている地方自治法第七三條は憲法第一五條第三項に違反するものでないことは既に當裁判所の判例(昭和二四年(れ)第一九〇九號同二五年四月二六日大法廷判決判例集第四卷第七〇七頁)とするところであるから論旨は採用できない。 二 論旨は第一審判決が被告人甲を懲役六月、被告人乙を懲役五月に處し、いずれも衆議院議員選舉法第一三七條第一項の規定を適用しない旨の判決をしているのに原判決が右規定の不適用を削除したことをもつて舊刑訴法第四〇三條の違反であると主張する。しかし原判決は右被告人等に對して第一審判決と同一の刑を科した上三年間刑の執行猶豫の言渡をしているのであるから主刑については第一審判決より利益な言渡があつたものである。ただ選舉權、被選舉權の關係だけからみると第一審判決は右被告人等に對して選舉權被選舉權を失權せしめなかつたに拘わらず原判決では失權することになるのであるから原判決は第一審判決よりも被告人等に不利益であるということになるのである。ところで舊刑訴法第四〇三條にいわゆる重き刑というのは判決主文の全体から観察して第一審判決よりも實質上被告人に不利益な場合をいうのであるが本件のように主刑について執行猶豫の言渡をした場合には選舉權被選舉權の關係について不利益な點があつても主文の全体から實質的に観察して不利益な變更でないと解すべきである。 |
| 参照法条 | 憲法15条3項,衆議院議員選舉法137條,衆議院議員選舉法137條1項,地方自治法73條,舊刑訴法403條 |