| 裁判要旨 |
關税法第七六條第一項は「免許ヲ受ケズシテ貨物ノ輸出ヲ図リタル者……」と規定しているのでその意義は輸出を企図した行爲を處罰する趣旨であるから單に未遂の場合のみならず豫備の場合をも包含するものと解するのが相當である。昭和二五年四月三〇日法律第一一七號の改正法は「免許ヲ受ケズシテ貨物ノ輸出又ハ輸入ヲ爲シタル者ハ五年如何ノ懲役若ハ五〇萬圓以下ノ罰金ニ處シ又ハ之ヲ併科ス(第一項)前項ノ罪ヲ犯ス目的ヲ以テ其ノ豫備ヲ爲シタル者又ハ同項ノ犯罪ノ實行ニ着手シ之ヲ遂ゲザル者亦同項に同ジ(第二項)」と明規しているが、それは法律の改正によつて新たに豫備を處罰する規定を設けた趣旨ではなく從前の規定の趣旨を明確にしたに過ぎないものと解すべきである。ところで關税法の罰則等の特例に關する勅令(昭和二一年五月一六日勅令第二七七號)第一條第二項の「輸出ヲシヨウトシタ者」の解釋についての當裁判所の判例(昭和二三年、八月五日第一小法廷判決、集第二巻第九號第一一三四頁、同二五年一月一九日第一小法廷判決、集第四巻第一號第三〇頁參照)はいずれも右勅令違反の事件に關するもので本件關税法第七六條の解釋を示したものでないから本件に適切でない。 |