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最高裁判例詳細

事件番号 昭和25(れ)909
事件名 強盗、住居侵入、強姦
裁判年月日 昭和25年9月21日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第4巻9号1735頁
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審裁判年月日 昭和25年3月6日
判示事項 一 舊刑訴法第四一二條乃至第四一四條所定の事由は上告審において職權で調査することを得るか
二 住居侵入罪は強盜罪に吸收されるか
三 強姦罪において暴行脅迫による姦淫の事實を否認する主張と「法律上犯罪の成立を阻却すべき原由たる事實上の主張」の意義
四 見張は犯行現場を見通し得る場所でなければできないか
裁判要旨 一 刑訴應急措置法施行後においては、舊刑訴法第四一二條乃至第四一四條に規定する事由は、上告審において職權で調査することは許されない。
二 住居侵入罪と強盜罪とは、おのおのその被害法益とその犯罪構成要件とを異にしているのであつて、強盜罪は當に當然住居侵入を伴うものではなく、ただ兩者は通常手段結果の關係があるに過ぎない。されば原判決が被告人の住居侵入と強盜の所爲を刑法第五四條第一項後段にいわゆる牽連犯として擬律したのは正當である。論旨は「強盜犯等の防止及び處分に關する法律」第二條第三號の規定を引用して縷述するのであるが、同條同號の罪はいわゆる結合犯であつてこれに對する刑は刑法の強盜の罪に對する刑よりも重いのであることに鑑みても、論旨のあたらないことは明らかなところである。
三 舊刑訴法第三六〇條第二項にいわゆる「法律上犯罪の成立を阻却すべき原由………たる事實上の主張」とは、犯罪構成に關しない事實で、しかも、その事實の存在が法律上當然に犯罪の成立を阻却すべきものにつきての主張を意味するのであつて、犯罪構成要件に屬する事實そのものについての否認は、これに該當しないのである。しかるに所論被告人等の主張は強姦罪の構成要件である暴行脅迫による姦淫の事實を否認する主張であるから、原判決が特に右主張に對する判斷を明示しなかつたとしても所論刑訴の條項に違反するとはいえない。しかも原審は所論被告人等の右主張を排斥して被告人等の所爲を強姦と認定しているのであるから、原判決には所論のやうな判斷遺脱の違法は存しない。
四 見張は犯罪を遂行するためその犯行の發覺、犯人の逮捕その他犯行に對する障害を排除することを擔當する所爲であるから、必ずしも常に犯行現場を見通しうる場所でなければできないとする實驗則は存しない。
参照法条 刑訴應急措置法13條2項,舊刑訴法434條3項,舊刑訴法360條2項,刑法130條,刑法236條,刑法54條1項,刑法177條,刑法60條