| 事件番号 |
令和1(受)1287 |
| 事件名 |
損害賠償請求事件 |
| 裁判所 |
最高裁判所第二小法廷 |
| 裁判年月日 |
令和3年4月26日 |
| 裁判種別 |
判決 |
| 結果 |
破棄差戻 |
| 原審裁判所 |
福岡高等裁判所 |
| 原審事件番号 |
平成30(ネ)167 |
| 原審裁判年月日 |
平成31年4月15日 |
| 参照法条 |
国家賠償法1条1項,民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条 |
| 事案の概要 |
本件は,上告人らが,被上告人に対し,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことにより精神的・経済的損害等を被ったと主張して,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求める事案である。 |
| 判示事項 |
乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しHBe抗原陽性慢性肝炎の発症,鎮静化の後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害につきHBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時が民法 (平成29年法律第44号による改正前のもの) 724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例 |
| 裁判要旨 |
乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染したX1及びX2が,HBe抗原陽性慢性肝炎の発症,鎮静化の後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害については,次の⑴~⑸など判示の事情の下においては,HBe抗原陽性慢性肝炎の発症の時ではなく,HBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時が民法 (平成29年法律第44号による改正前のもの) 724条後段所定の除斥期間の起算点となる。 ⑴ X1は,昭和62年12月,HBe抗原陽性慢性肝炎を発症し,抗ウイルス治療によって,平成12年頃までにHBe抗原セロコンバージョン (HBe抗原陽性からHBe抗原陰性への転換) を起こして肝炎が鎮静化したが,平成19年12月頃,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症した。 ⑵ X2は,平成3年1月,HBe抗原陽性慢性肝炎を発症し,抗ウイルス治療によって,平成12年頃までにHBe抗原セロコンバージョンを起こして肝炎が鎮静化したが,平成16年3月頃以降,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症した。 ⑶ B型肝炎ウイルス持続感染者の多くは,無症候性キャリアから活動性肝炎となり,HBe抗原セロコンバージョンを起こして肝炎が鎮静化し,非活動性キャリアとなり,この段階に至れば,肝細胞がん等への進行リスクは低く,長期予後が良好となって,具体的な治療の必要がなくなることから,HBe抗原陽性慢性肝炎においては,目指すべき短期目標をHBe抗原セロコンバージョンとして抗ウイルス治療がされる。 ⑷ HBe抗原陽性慢性肝炎の発症後,HBe抗原セロコンバージョンによりHBe抗原陰性となり,非活動性キャリアとなったにもかかわらず,長期間が経過した後にHBe抗原陰性の状態でB型肝炎ウイルスが再増殖し,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症する症例も10~20%は存在するところ,HBe抗原陰性慢性肝炎については,線維化進展例が多く,自然に寛解する可能性は低い。 ⑸ どのような場合にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症するのかは,現在の医学ではまだ解明されていない。 (補足意見がある。) |
| 事件番号 |
令和1(受)1287 |
| 事件名 |
損害賠償請求事件 |
| 裁判所 |
最高裁判所第二小法廷 |
| 裁判年月日 |
令和3年4月26日 |
| 裁判種別 |
判決 |
| 結果 |
破棄差戻 |
| 原審裁判所 |
福岡高等裁判所 |
| 原審事件番号 |
平成30(ネ)167 |
| 原審裁判年月日 |
平成31年4月15日 |
| 参照法条 |
国家賠償法1条1項,民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条 |